うさぎの食べ物

うさぎの牧草*チモシー・アルファルファの特徴と与え方

うさぎの主食は牧草(チモシーやアルファルファ)です。

牧草を食べることは、うさぎの健康を保つためにとても大切なものです。チモシーとアルファルファの栄養の違いやうさぎの年齢ごとの与え方をご紹介します。

うさぎが牧草を食べるメリット

うさぎが牧草を食べることは、健康を維持する大事な手段です。牧草には、様々な病気を予防する効果があります。

牧草をたくさん噛んで食べることによって、不正咬合(ふせいほうごう)を防ぐことができます。うさぎの歯は、何もしないまま放っておくと伸びていきます(1年で12㎝も伸びるとか!)。室内で飼われているうさぎは、野生のうさぎに比べて物を噛む機会が少なく歯が自然にすり減ることがあまりないため、噛み合わせが悪くなる不正咬合を起こすことがあります。牧草を噛んで食べることによって自然に歯がすり減るため、不正咬合を防ぐことができるのです。

また、牧草には肥満や尿結石を予防する効果もあります。特に、低たんぱくでカロリーの低いチモシーは、大人うさぎにとって大切です。肥満になってしまうと病気のリスクは高まります。健康的な牧草を日々食べることで、これらの病気を予防することが大切です。

チモシーの種類と特徴

イネ科のチモシーは低たんぱく低カルシウムで健康的。生後6ヶ月頃からのうさぎに与えたい主食です(赤ちゃんうさぎにはもっと高たんぱくのアルファルファを与えます→後述)。

チモシーは、いつでも食べられるよう食べ放題状態にして、常にケージに入れておきましょう。

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新鮮なものを与えられるよう、なるべく一度に買いすぎず、保管は密閉容器(ジップロックなど)に入れておくと安心です。まとめ買いしたい場合は、密閉パックのチモシーを購入し、1つずつ開封すれば大丈夫です。

刈り方による違い

チモシーには、一番刈り、二番刈り、三番刈りの3タイプがあります。これらは収穫の時期で3種類に分けられているのですが、それぞれ栄養や特徴が異なります。

一番刈り 二番刈り 三番刈り
収穫時期 春~初夏 夏の終わり~秋
栄養 粗繊維30~35%
カルシウム0.45~0.55%
粗繊維25~28%
カルシウム0.57~0.62%
粗繊維29.8%以下
カルシウム1.3%
特徴 太くて長い
繊維が豊富
細めでやわらかい
おいしい
ほとんどが葉


1番刈り チモシー

最も健康的なのは一番刈りのチモシーです。腸の運動を促進する繊維が豊富で、尿結石などのリスクが上がるカルシウムが少ないので、できれば基本は一番刈りを与えるのがおすすめです。ただ、一番刈りのチモシーは、葉の部分と茎の部分が混ざっていて、太くて長く、やや硬めのものも多いので、うさぎによっては食べたがらない子もいます。

 


2番刈り チモシー

二番刈りのチモシーは、細めでやわらかく、一番刈りに比べると食べやすい牧草です。一番刈りを食べたがらない子には二番刈りを試してみるといいかもしれません。

 


チモシー 三番刈り

三番刈りのチモシーは、ほとんどが葉の部分となります。チモシーが嫌いな子でも食べやすいですが、摂りたい繊維は少なめで、おさえたいカルシウムが多めなので、できれば一番刈りのチモシーも混ぜたりしながら与えた方が理想的です(それでも一番刈りのみ食べない子もいます…)。

生タイプ・カットタイプ・キューブタイプも

チモシーにはいろいろな形状のものも販売されています。


ベビーチモシーファーム

生タイプは、乾燥している牧草に比べてしっとりしていて、栄養価は高くおいしいです。少量で値段は高めなので、ごほうび用に購入するのもいいかもしれません。


プレミアムカットチモシー

カットタイプは、長いチモシーが苦手な子向けのチモシーです。その名の通り、カットされた短めのチモシーが入っています。カットタイプは香りがとびやすいので、空気に触れないよう保存することが大切です。


かじる牧草ヘイキューブ

キューブタイプは、牧草を固めてキューブにしたものです。主食には向きませんが、おやつやおもちゃには便利です。ばらばらに散らばらないので、外出時の携帯用にも使えます。

アルファルファの特徴

アルファルファ(マメ科)は、高たんぱく・高カルシウムなのが特徴です。カロリーも高いので、基本大人うさぎには与えません(おやつ程度ならOK)。

アルファルファを主食にしたいのは、離乳~生後6ヶ月くらいまでの赤ちゃんうさぎです。その後6ヶ月~1歳くらいの間で少しずつカロリーの低いチモシーに移行していきます。最初の頃からやがて移行することを見越して、アルファルファにチモシーを少しずつ混ぜて慣らしていくと、切り替えが楽です。

1~5歳の間は、主食はチモシーを与えます。おやつでアルファルファを与える場合は少量にすること。5歳以降(シニア)になると肥満・尿結石になりやすいので、チモシーのみにするようにしましょう。

その他の牧草

うさぎが食べる牧草は、マメ科代表アルファルファ、イネ科代表チモシーが一般的でよく販売されていますが、他にもいくつか種類があります。

マメ科 イネ科
アルファルファ
クローバー
オオバコ
チモシー
オーチャードグラス
イタリアンライグラス
クレイングラス
オーツヘイ
ウィートヘイ

チモシーを食べない子には、イネ科の他の牧草を試しつつ、年齢や体質に応じてその子に合ったものを見つけてあげられるといいですね。

まとめ

うさぎに与えたい牧草についてまとめます。

うさぎの牧草
  • 牧草は病気の予防に不可欠
  • 赤ちゃんうさぎはアルファルファ、大人うさぎはチモシーを主食にする
  • 一番刈りのチモシーが繊維豊富・低カルシウムでおすすめ
  • 食べない子は違った刈り方や形状・その他の牧草も試してみる