現在、ペットとして親しまれているうさぎの多くは、野性のアナウサギの頃から残っている習性がいくつもあります。初めてうさぎを飼ったときには、びっくりするような行動も少なくありません。
うさぎを飼ううえで、習性を理解していれば戸惑うことも少なくなります。ここでは、うさぎのちょっぴり変わった習性についてご紹介します。
うさぎの活動時間
うさぎを飼っていると、うさぎは夜行性かと聞かれることがあるのですが、うさぎは完全な夜行性というわけではなく『薄明薄暮性』と言われています。
薄明薄暮性とは、夕方から明け方にかけて活発になるということ。
野生うさぎは、1日をほとんど穴の中で過ごし、夜~明け方にかけて食事をするために穴から出て活動します。その名残から、おうちうさぎも昼間はほとんど寝ていて、夕方くらいから元気に行動していることが多いです。ですので、日中仕事で家を空けているという人でも比較的生活リズムを合わせやすいというメリットがあります。
※うさぎさんによっては、飼い主が起きたり寝たりするペースに合わせて活動するようになる子もいるそうなので、個体差はあります。
うさぎの睡眠
昼間はほとんど寝ているうさぎですが、その睡眠はかなり浅いです。外敵から身を守るため、小さな音や気配に反応して飛び起きることもよくあります。
また、うさぎは目を開けたままでも寝られます。一見、寝ているのか起きているのか分からないのですが、目を開けていても動かず、鼻の穴が閉じているときは寝ています(反対に起きているときは鼻がヒクヒクしています)。
ちなみに、目を閉じて寝ているときはかなりリラックスしている証拠。おうちうさぎだと、リラックスしすぎて少々の物音では起きなくなってしまうこともたまにあるのですが、ぐっすり眠っているところもまた可愛いです。
うんちを食べる『食糞』
うさぎの習性の中で、初めてうさぎを飼った人が特に驚くのがこれ。
うさぎには、自分の糞を食べる習性があります。
うさぎが食べているのは、盲腸糞という種類の糞で、普段排出される丸っこい形の乾いた糞ではなく、小さめの粒が集まってブドウの房状をした臭いのきついうんちです。
盲腸糞は、ほとんどの場合、おしりに直接口を付けて食べるので、気が付かないことも多いのですが、時々落ちているのを見かけることもあります。
この盲腸糞には、たんぱく質やビタミンB群、ビタミンKなどが多く含まれているため、うさぎにとっては大事な栄養源です。食事の後、約3~8時間程度で排出されます。
盲腸糞を食べない場合、理由はいくつか考えられます。子うさぎや老年のうさぎは、食べ方が下手でうまく食べられないことがあります。また、長毛種のうさぎだと、糞が毛に紛れてしまい食べ損なう場合もあります。中には、栄養の取りすぎ、肥満で姿勢が辛い、首や背中、内臓、前歯が痛いなど、体の不調が隠れている場合もあるので、日々観察するようにしましょう。
穴掘りが大好き!
ペットとして飼われているうさぎたちの祖先は『アナウサギ』という種類です。アナウサギは穴掘りが大好きで、前足でほりほりしながら地面にトンネルのような穴を掘ります。
おうちで飼う場合には、穴掘りをする機会はほとんどないかと思われますが、地面を前足でカリカリしたり、牧草を敷き詰めていたら掘り返したりといった仕草が見られます。
うさぎさんにとって穴を掘るのはとても楽しいことなので、専用の穴掘り遊びができるハウスを購入して遊ばせてあげても喜びます。周りに飛び散らないように対策をしてから遊ばせてあげまよう。
なんでも齧る
うさぎは好奇心旺盛な生き物。
近くにあるものは、なんでも齧ってしまいます。齧るだけならまだしも、それを誤って食べてしまうこともあるので、注意が必要です。
うさぎが届く範囲に齧られて困るものを置かないのは鉄則です。保温のためにケージ内に毛布を入れたり、観葉植物を近くに置いたりするのは、誤飲・誤食の恐れがあり危険です(うさぎによっては全く齧らない子もいるので、個体差はあります)。食べ物以外のものを食べてしまうと、体の中でうまく消化できず、病気になってしまうこともあるので、くれぐれも気を付けたいところです。
雄うさぎのスプレー行動
雄のうさぎの習性として『スプレー行動』というものがあります。これは、広範囲に自分の縄張りを広げるための習性で、スプレーのようにおしっこを飛ばす行動です。特に若い雄うさぎによく見られます。
飼い主としては、おしっこを飛ばされるのはなかなか大変ですが、ケージの外まで飛ばないようにガードをつけるなどして、対応しましょう。
まとめ
うさぎの習性を知っておくことで、うさぎを飼う際に役立つことはたくさんあります。
- 活動時間は夕方から明け方に活発になる
- 眠りが浅い
- 食糞(盲腸糞)で栄養を採っている
- 穴掘りが大好き
- なんでも齧る
- 雄うさぎはスプレー行動あり
習性は、叱ってしなくなるものではありません。中には困った行動もありますが、飼い主が対策を立ててあげられるようにしたいですね。